今シーズンのまとめ
全日本大会と今年のまとめ
皆さん全日本大会お疲れ様でした!
気が付いたら外も非常に寒くなり、本当にあっという間に今シーズンも過ぎてしまいましたね。
しばらく更新ができなかったため、一つの節目ということで全日本とともに大まかに今シーズンも振り返りたいと思います。
まずは全日本大会から。
1日目. ~試走会~
実は全日本の試走会は初めての参加でした。一昨年はギリギリまで部室で調整をしていたので(笑)
主にセンサー値を確認するつもりで行きましたが、部室のままの状態で走らせると機体が振れ、明らかに探索が不安定に。(´・ω・)え?
原因は窓からさす日光の影響で、リファレンス値が10%程度ずれていました(13時で日差しも強かったですしね)。
時間帯によっても値が変わっていたのでどれを信じればよいか分からず、結局は日光があまり差さない時間帯の値を採用。ブレはあっても走れないほどの影響はないと判断しました。
当日にセンサー値を見て動揺しないためにも試走会で事前チェックをしたのは良かったと思います。
2日目. ~クラシックエキスパート予選~
出走順番が遅かったため午後の出走となり、午前はお手伝いで無線を使って誘導をしました。
初めての無線でのやり取り、かっこ良かった…(最近は通信基地を介して通信するそうで、広範囲で通信可能らしいです。すごい!)
お手伝いが終わって午前の結果を見ると、3秒台がざっと10人弱…
レベル高くないですか?
この時点で最短をちゃんと決められないと予選は突破できないと悟り、非常に緊張していました。
走行の結果は探索と最短4回ともに成功!!
正直出来過ぎでした。
公式大会で初めての斜め走行の挑戦でしたが、すべてのパラメータでちゃんと走ってくれたのは非常に嬉しかったです!(斜めターン速度1.0m/s, 1.2m/s)
迷路としてはとにかく斜めしかなく、大回りが一つもありませんでした。自分のマウスがあまり得意でない直線の長い区間も少なく、相性が良かったのかもしれません。
後輩のフレッシュマン達も無事に決勝に進み、みんなそれぞれ完走をしていて嬉しかったです。
授業やら課題やらで時間のない中、よく頑張ったと思います!
マウスパーティでは恒例行事になりつつある田代杯が盛り上がりましたね!
血も涙もない斜め調整用ハーフ迷路は挑戦者をあざ笑うかの如くその斜め直線のラインを綺麗に浮き上がらせていました。(何度見てもえぐいなあ)
しかし走りきる人はいるもので、見ていてい本当に気持ちよかった。ああいう走りを見てしまうと自分も走れるようになりたいと思ってしまいますよね!
3日目. ~クラシックエキスパート決勝~
いよいよ今シーズン最後の走行がやって参りました。
まず迷路の解説ですが、
斜めターンの場所にちょうど迷路の切れ目が来るようにした
とのこと。(´・ω・)ん?
なんだか最初から不穏な空気でしたね…(笑)
迷路が公開されてまず気づいたのは、経路が完全に2つに限られていることです。
斜め連続の内側ルートか直線と斜めのある外側ルートしかなく、外側は直線がよっぽど早くない限り通らないと思いました。
午前の時点でほとんどは内側ルートを通っていましたが、V90の連続などキツイところが多く、自分も走れるか非常に不安でした。
午後実際に出走した結果、探索成功、最短1回成功、3回失敗でした。
失敗したのはパラメータを上げた時でしたが、いずれも開幕ターン時の加速度が足りず、距離がずれたためにぶつかってしまい、完全にバグでした…(泣)
1回でも最短ができたのは良かったですが、詰めの甘さを全日本でも味あわされることになり、非常に悔しいです。次回こそはバグなく走り切ってやる!
今シーズンの機体に関して
機体名:BCmouse (べしマウス)
基板厚:1.0mm マイコン:RX62T (64pin)
壁センサー:SFH 4550 (発光ダイオード)
ST-1KL3A (フォトトランジスタ)
センサー:MPU6000 (ジャイロ)
IEH2-4096 (モーターと一体型のエンコーダー)
モーター:1717T003SR (Faulhaber)
モータードライバ:TB6614FNG
バッテリー:LiPo_2S(7.4V)180mAh 25~40C
インターフェイス:チップLED*9セット、スピーカー、プッシュスイッチ*2
ギア:ピニオンギア(真鍮)M0.5、歯数9
スパーギア(POM)M0.5、歯数36
重量:約100g(バッテリー含む)
サイズ:99*80*22
上を見てもらえば分かるように、このマシンは吸引機構を搭載していません。今作がDCマウス1作目ということもあり、できるだけスタンダードなマウスを目指しました。実は設計開始から1年以上が経過している機体で、予定では昨年走らせたかったのですが、昨年は課題やレポートに追われて完成せず、今年ようやく走らせることが出来ました。
こだわった点としてはホイールで、POMを部室のCNCで切削加工(何回削りなおした事か…)。その後、ラッカー塗料でエアブラシ塗装をしました。重ね塗りによるメタリック塗装で、光沢仕上げにしました。
機体の大きさはDCマウスの中でも大きい方で、特に横幅の広い機体となりました。斜め走行をする際には広すぎてぶつかるのではないかとの懸念がありましたが、斜めの制御を入れることで長い斜め直線でもぶつかることなく走る機体となりました。また、幅が広いとターン時にトレッド幅を稼ぐことができ、回転トルクが出やすいなどの利点もあるかと思います。しかしその分ぶつからないようにするための制御はシビアになるので、単純に広くするのも考えものです(ステッピングモータのマウスよりは間違いなく小さいので、個人的にはDCマウスなら多少大きくても大丈夫かなとは思いますが)。
マイコンは最近使う人が減ってきているRX62Tを使用。今シーズン中、計算性能に関して不満に感じることはありませんでしたが、とにかくRAMが小さい!RAM容量は16Kバイトであり、走行記録のログを取ろうとするとすぐに容量が足りなくなってしまいます。今後RX62Tを使おうと考えている方は、RX631の検討もお勧めします。
4輪マウスにした理由はやはりカッコいいからです!1シーズン以上付き合っていく機体ですので、やはり機体のデザインはモチベーションの為にも重要だと思います(そう言えばLEDを9セットと多く搭載したのも今年の一つのコンセプトだった気がします)。
(一部LEDを光らせるとこんな感じ↑)
機体に関して失敗したと思うことは電解コンデンサの位置。電解コンデンサは場所を大きく取り、高さもあるため、電池を置く際に干渉して重心が高めになってしましました。電池の置き場所に関してはサボらずちゃんと考えたほうがいいです。また、ジャイロを中心線から右寄りに設置した影響かは分かりませんが、左右のターンで軌道がかなり違うことにも悩まされました。大切なセンサーですので、次回作ではなるべく中心線上に置けるようにしたいです。
また、モーターが微妙に基板から浮いていてモーターマウントのみで固定していたので、ターン中にモーターの位置が微妙に変化しているのではないかという不安もありました。足回りはがっちり固めたいですね。
他にも反省すべき点は多くありますが長くなってしまったのでこの位にしておきます。
最後に全日本大会の走行パラメータを示しておきます。
<全日本予選>
1走行
探索:速度0.5m/s
加速度5.0m/s/s
経路導出後:速度0.65m/s
加速度6.0m/s/s
2走行
最短走行:直進最高速4.0m/s
斜め直進最高速3.0m/s
加速度7.25m/s/s
ターン速度
{L90deg, 180deg, 45deg, 135deg, V90deg}
{1.2m/s, 1.2m/s, 1.0m/s, 1.0m/s, 1.0m/s}
3走行
最短走行:直進最高速4.0m/s
斜め直進最高速3.0m/s
加速度7.25m/s/s
ターン速度
{L90deg, 180deg, 45deg, 135deg, V90deg}
{1.2m/s, 1.2m/s, 1.2m/s, 1.2m/s, 1.2m/s}
4走行
最短走行:直進最高速4.2m/s
斜め直進最高速3.2m/s
加速度7.5m/s/s
ターン速度
{L90deg, 180deg, 45deg, 135deg, V90deg}
{1.2m/s, 1.2m/s, 1.0m/s, 1.0m/s, 1.0m/s}
5走行
最短走行:直進最高速4.0m/s
斜め直進最高速3.0m/s
加速度7.25m/s/s
ターン速度
{L90deg, 180deg, 45deg, 135deg, V90deg}
{1.4m/s, 1.4m/s, 1.2m/s, 1.2m/s, 1.2m/s}
<全日本決勝>
1走行
探索:速度0.5m/s
加速度5.0m/s/s
経路導出後:速度0.65m/s
加速度6.0m/s/s
2走行
最短走行:直進最高速3.6m/s
斜め直進最高速2.6m/s
加速度7.25m/s/s
ターン速度
{L90deg, 180deg, 45deg, 135deg, V90deg}
{1.2m/s, 1.2m/s, 0.9m/s, 0.9m/s, 0.9m/s}
3走行以降
パラメータを上げ開幕ターン時の加速度が不足し、壁に接触してフェイルセーフ発動
予選の迷路は斜めターンが非常に多かったため、直進速度を上げてもターン速度を上げない限りタイムは良くならなかったです。次回作の構想はまだ考え中ですが、今シーズンよりは脱スタンダードとなるような機体にしていけたらいいかなと思っています。
長くなってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました!
また、今シーズン大会等の運営にかかわっていただいた方々には感謝してもしきれません。この場を借りてお礼申し上げます。